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いい夫婦の日に いい夫婦の作品を

2012/11/22

11月22日は「いい夫婦の日」。

そこで、「いい夫婦の日」にちなんで、いい立花夫婦の作品をいくつかご紹介いたします。

 

その1 『無双の花』(葉室麟 著、文藝春秋)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『蜩の記』で第146回 直木三十五賞を受賞された、葉室麟さんによる作品です。

立花宗茂が、関ヶ原から柳川へ帰ってくるところから、物語は始まり
浪牢生活を経て旧領・柳川に復帰し、亡くなるまで、
宗茂が貫いた義の人生が描かれています。

宗茂と誾千代との魂の分かち合いはもちろんのこと
継室である八千子や継々室の菊子との「いい夫婦」話も。

真田信繁夫婦の話も含まれていますので
真田ファンにもおすすめの一冊です。

 

その2 「牡丹咲くころ」(葉室 麟著、オール讀物2011年9月号、『代表作時代小説 平成24年度』光文社)

こちらも葉室麟さんによる作品で
2代藩主・立花忠茂とその正室・鍋姫(伊達政宗の孫)夫婦のいい話。
柳川市史別編『図説 柳川家記』にも書かれているエピソードが基になっています。

ちなみにこの夫婦は、お位牌もひとつのお厨子に仲良く並んでおさめられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その3 『まりしてん誾千代姫』(山本 兼一著、PHP研究所)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『利休にたずねよ』で第140回直木三十五賞を受賞された山本兼一さんの最新作。

主人公は立花宗茂の正室・誾千代。
「女は生きづらい」と思いながらも強く生きた、誾千代 の一生を描いています。
宗茂と誾千代の心の通い合い、側室・八千子との関係など
「いい夫婦」作品としての読みどころ満載です。

『無双の花』が、おじさんのハートをわしづかみするタイプであるならば
『まりしてん誾千代姫』は、乙女のハートをわしづかみするタイプです。
表紙イラストは大人気イラストレーターのワカマツカオリさん。
これも乙女ハートわしづかみ要素のひとつなのではないかと。
普段は時代物を読まないという方にもおすすめの一冊です。

 

その4 GENESISシリーズ『境界線上のホライゾン』Ⅰ~Ⅴ〈以下続刊〉(川上 稔、電撃文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川上稔さんによる作品。
アニメ化もされている、ライトノベルの人気シリーズです。

「遙か遠い未来。“重奏統合争乱”を経て、
人類の命運を懸けた“聖譜”をもとに
歴史の再現を行う国々。…」(Ⅰ巻上 表紙カバーより)

といっても、よくわからない方も多いかと思いますので
詳しい作品世界については、各自ググってみてください。

この作品に出てくる立花夫婦は、立花・宗茂と 立花・誾。
架空の立花家ではありますが、
歴史を再現するという作品世界の性質上
モデルになっているのは史実の宗茂と誾千代のようです。
上の写真の中で、付箋の貼ってあるところに、宗茂もしくは誾がでてきます。
この宗茂と誾も、かなり「いい夫婦」。
本棚に余裕のある方におすすめの一冊、いや数冊です。

 

 

以上、4点の作品をご紹介いたしました。
このうち、『無双の花』と『まりしてん誾千代姫』は、
柳川藩主立花邸 御花でも絶賛販売中。

 

ここ最近、いい立花夫婦の作品がたくさん発表されており
大変うれしく思っております。
なお、今後書いてみようかなという方へのおすすめ立花夫婦は
5代藩主・立花貞俶と珂月院夫婦です。

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直木賞作家・葉室麟さんご来園(サイン本販売しますよ)

2012/1/26

1月17日。
その日、史料室3人衆は、パソコンに張り付いてニコニコ生放送に見入っていました。
そのとき放送されていたのは「第146回 芥川賞・直木賞 受賞者記者会見生中継」。
ばっさり栗原さんやペリー荻野さんの批評を楽しみつつ、
おそらく19時くらいであろう直木賞の発表を待っていたのです。

というのも、直木賞に葉室麟さんがノミネートされていたのです。
葉室さんは、去年の2月号から「オール讀物」に、立花宗茂の小説「無双の花」を連載されていました。
それ以来のご縁で、去年は白秋祭にご招待したりと、親しくお付き合いさせていただいています。
いえ、お付き合いといってもそういう意味ではなく…
それはさておき、今回葉室さんは「蜩の記」で5度目のノミネート。
今度こそ!とパソコンのモニターに念を送り続けました。

結果はみなさんご存知の通り、見事受賞!
おめでとうございます。
立花家史料館でもすぐにお祝いツイートをいたしました。

さて、新直木賞作家・葉室麟さんの受賞第1作は
じゃーん!
なんと「無双の花」です。

そして昨日、お忙しいスケジュールの合間を縫って
葉室さんが、柳川藩主立花邸御花にお越しくださいました。

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宗茂の具足と金甲と葉室さん(奥の黒いのは忠茂の具足です)。

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宗茂の肖像画と自筆書状と伊達政宗の自筆書状と葉室さん。

そして夜は御花料亭にてお祝いの宴。
葉室さんはお話上手な楽しい方です。
宴も大変盛り上がりました。

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宴の後にサインを頂戴しました。
フロントに飾らせていただきます。

なお今回のご来園は、宗茂3ウィークスの目玉企画のひとつ
「『無双の花』サイン本販売」のサインのためでもありました。
お酒が入る前に、ちゃんと本にもサインと落款をいただきましたので、ご安心を。

次号の「オール讀物」は葉室さん特集。
今回のご来園の様子も掲載される予定です。

20120126_04

唐長文様の素敵な装丁を施した
「無双の花」は1月28日発売。
通常九州では2,3日遅れで発売されるのですが
柳川藩主立花邸御花の売店では、
九州のどこよりも早く、1月28日9時に販売開始します!
しかもサイン本15冊!(お一人様一冊限りでお願いいたします)
さらに、御花売店でお買い上げいただいた皆様には
特製ブックカバーとしおりを差し上げます。

20120126_05

ブックカバーは宗茂が使っていた花押のデザイン。
しおりは宗茂3ウィークス特製です。
ブックカバーとしおりは、M3W期間以降もお付けいたします。

みんな読んでね

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「弧闘 立花宗茂」が中山義秀文学賞を受賞!

2010/11/15

上田秀人先生の「弧闘 立花宗茂」が、第16回中山義秀文学賞を受賞されました!
同賞の公開選考会が行われたのは特別展「立花宗茂」の開会日と同じ、11月13日。何だか運命的なものを感じます。

中山義秀文学賞は、新鋭・気鋭の歴史・時代小説を対象にした文学賞で、主催は中山義秀顕彰会、福島県白河市などが共催しています。
福島県といえば、宗茂は一時奥州棚倉(現在の福島県東白川郡棚倉)に領地を有していました。
最初の石高は1万石、その後、慶長15年(1610)に3万石に加増されています。
宗茂が自らの名乗りを「宗茂」へと改めたのは、この棚倉の領地の加増がきっかけだったようです。

宗茂を主人公にした小説はいくつかありますが、上田先生はこれまで語られてきたイメージとは異なった新しい視点から、独自の宗茂像を描かれています。
まだ、読まれたことのない方は、是非この機会に手にとってごらんください。

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まりしてん誾千代姫

2010/10/29

PHPの小説・エッセイ文庫「文蔵」で、山本兼一先生の新連載「まりしてん誾千代姫」がはじまりました。
誾千代といえば、立花家初代・戸次道雪の息女で、わずか7歳で立花城の城督となった人物です。
立花宗茂はこの誾千代の婿養子となって、立花家の家督を継ぎました。
誾千代を主人公とした小説となると、最も気になるのは宗茂との仲がどのように描かれているかですが、この小説では二人の関係について、一般に流布している通説とはまったく違った解釈がとられています。

宗茂と誾千代と言えば、二人は不仲であったというのがこれまでの通説でした。しかし、本当にそうだったのでしょうか?
実は誾千代に関する資料は、まったくと言ってよいほど残っておらず、実際に誾千代がどのような女性であったのか、また、宗茂との関係がどのようなものであったのか、確実に分かる資料はないのです。
小説「まりしてん誾千代姫」では、宗茂と誾千代は非常に仲むつまじい夫婦であったということが、冒頭から語られています。

誾千代は晩年、宗茂と別居していたという事実があり、これが不仲説の根拠となっているものと思われます。
その一方で、誾千代が非常に愛情深い女性であり、宗茂のことを思いやっていたという言い伝えも伝わっているのです。
二人は不仲であったのか、それとも二人の別居には何か別の理由があったのか、本当のところはだれにも分かりません。

いずれにしても、従来の小説とは全く異なる方向からアプローチされている山本先生の「まりしてん誾千代姫」。物語はまだ序盤であり、これからどのように展開していくのか分かりませんが、続きがとても楽しみです。

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