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熊本半日紀行 後編

2015/6/22

前編をおさらい】
熊本県立美術館の細川コレクション特集「茶わんまつり!」の
関連イベントであるミュージアムセミナーに参加するべく熊本へ。

途中、太平燕とケーキでお腹を満たし
熊本城の立花宗茂さんに念を送りつつ、熊本県美へ向かうと
会場にはあふれんばかりの受講者が。

大盛況のセミナー終了後には
特別ゲストの熊本城おもてなし武将隊・細川忠興さんに
夏衣装を見せていただいたのだった。

おさらいおしまい。

 

 

ミュージアムセミナー「細川忠興の茶道具収集」で予備知識を得たところで
さっそく「茶わんまつり」を観覧。

まつりの会場は、熊本県立美術館別棟の細川コレクション常設展示室。

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展示室に入るとそこには、茶わん茶わん茶わん。

忠興の時代から現代に至るまで
細川家によって集められた、珠玉の茶わんの数々。
そのバラエティゆたかなラインナップは、まさに茶わんまつり。
居並ぶ茶わんから、400年の歴史を感じることができます。

 

茶わんを見ながら
「そういえば、利休七哲って忠興以外に誰がいたっけな」と思ったとき
役立つのが、今となっては懐かしい戦国鍋TVの「たぶん利休七哲」。

「がもううーじーさーと、ほそーかわーただーおきー…」

この歌のおかげで、7人の名前がすらっと出てきます。
「メンバーには、諸説あーるーんーだー」ということで、あと2人も。

 

細川コレクション特集「茶わんまつり」は、今週末の6月28日まで。
ぜひみなさんも、この素晴らしいまつりにお出かけください。

 

茶わんを存分に堪能したところで
坂を下りた三の丸にある旧細川刑部邸へ移動。

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旧細川刑部邸は、細川(長岡)刑部家の下屋敷を
25年程前に、熊本市東子飼町から現在の場所に移築復原したものだそうで
熊本県の重要文化財に指定されています。

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柱の形とか、梁の太さとか、部屋の造りとか
建物の仕組みを探索しながら、屋敷内を巡ります。

一周したところで、全体的な構造がなんとなくわかった私達は
確認のため、さらにもう一周してみることに。

同じタイミングで見学していたお客さん(おじ様)も
なぜか一緒にもう一周。

みんなで語り合いながらの二周目では
ここは松の間、ここは藤の間みたいな感じか、と立花邸と比較したり
家族スペースと使用人スペースの違いや分かれ方を確認したり
部屋の並びから動線を考えてみたりと
屋敷をより深く楽しみました。

 

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それにつけても、どこへ行っても蘇鉄が気になる。
古い葉を刈らない場合、新しい葉がどういう風に出てくるのか
ここの蘇鉄で知ることができました。

 

旅の締めくくりは桜の馬場 城彩苑での買い物。

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夕闇迫る熊本を後にし、一路福岡へと帰ったのでした。

 

最後に
途中、北熊本サービスエリアで食べた「ネギパン」が美味であったことを
ここに書き添えておきます。

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熊本半日紀行 前編

2015/6/21

熊本県立美術館では、6月28日まで
細川コレクション特集「細川茶わんまつり!」が開催されています。

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利休七哲に数えられた武将・細川忠興以来、400年かけて集められた
細川家ゆかりの茶わんが大集合した展覧会です。

6月20日、展覧会の関連イベントとして
ミュージアムセミナー「細川忠興の茶道具収集」があり
これに参加してきました。

 

お昼頃熊本に到着し、まずは腹ごしらえ。
下通りにある紅蘭亭へ。

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長い行列の出来る人気のお店ですが
事前に予約していたおかげで、すぐに席に着くことができました。

注文したのは、熊本名物・太平燕。
コクのあるあっさりスープが
具と春雨と揚げ卵に絶妙にマッチングしています。
とても美味しくいただきました。

 

余談ですが、お店から見えていた郵便ポストが気になったので
近くまで行ってみたところ、こんな形でした。

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さすがはお城の町・熊本。
石垣まで再現。

 

さて太平燕+αでお腹は膨れましたが
「甘い物は別腹だよね」という全会一致の結論により
お隣のSWISSでデザートタイム。

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セミナーに備えて
各々ケーキやパフェで脳の栄養を補給。
さらにコーヒーでしゃっきりしたところで
熊本県立美術館へ向かいます。

 

途中、お城が見える二の丸広場から
熊本城おもてなし武将隊の立花宗茂さんに念を送る。

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ビビビビビ。
そのうち三日月模様の夏衣装を見に行きますね。
ビビビビビ。

よし。

 

さて、まもなくセミナー開始という会場では
想定以上の参加者に対応すべく
椅子が次々と追加されていました。
「細川忠興」「茶道具」「講師:山田貴司」と3つ揃っていることから
たくさんの人が集まったのでしょう。

この日は、熊本城おもてなし武将隊の細川忠興さんもゲストとして出陣。
ミュージアムプログラムの初陣は
5月6日の当館イベント「戦国時代立花家甲冑体験プログラム」内の
「特別ギャラリートーク・うぃず忠興」だった忠興さん。
遂に細川家に登場。
参加者の多い4つめの理由でした。

 

セミナーでは、細川忠興のプロフィールに始まり
忠興ゆかりの茶道具について、
伝来品の画像や文書史料を使って
講師の山田さん、ときにゲストの忠興さんから
わかりやすく、かつ楽しく紹介されました。

 

なお、人気講師・山田さんは
本年度第5回立花家史料館文化講座(1月開催)でも
講師をしていただくことになっています。
タイトルは「清正と宗茂、二人にとっての関ヶ原合戦」。
なんて魅力的なタイトルなんでしょう。
みなさんのご参加をお待ち申し上げております。

 

あっという間の一時間だったセミナーが終わり
お見送りが一段落したところで
忠興さんに、臥龍梅と鴬の柄の夏衣装を見せていただきました。

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左肩の鴬が忠興さんで、右袖の鴬が奥様のガラシャさんだそうです。

 

後編に続く。

 

【次回予告】
展覧会で茶わん三昧。これはまさしく「まつり」だ!
その後、旧細川刑部邸でぐるぐる廻る我らが感じたこととは…

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黄金週間に黄金の兜を作ってかぶろう

2015/4/7

4月21日から九州国立博物館で始まる
開館10周年記念特別展「戦国大名-九州の群雄とアジアの波涛」

思いがけず立花家がフィーチャーされているこちらの展覧会では
5月5日のこどもの日に、「手作り兜を作ろう!」というワークショップが開催されます。

「戦国大名」展に登場する黄金の兜を紙で作り
中学生以下の方は兜をかぶって「戦国大名」展に入場すると
うれしい特典がある!という企画です。

 

ここでいう「黄金の兜」とは、これのこと。

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「金箔押桃形兜(きんぱくおしももなりかぶと)」。
すなわち金箔を押した、桃の形の兜。

立花家で「金甲(きんこう)」と言われてきた「金箔押桃形兜」は
戦場で立花宗茂の親衛隊が一隊全員揃って着用していたものと思われます。

 

さて本日、ワークショップで作る「手作り兜」の型紙の見本が
九州国立博物館から届きました。
では早速、レッツ手作り兜。
どんなものができるかな。

 

切り取りはスムーズでしたが、のり付けに少し手間取りました。
完成までにかかった時間は約一時間程度。

 

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手作り金甲の出来上がり。
実際はもっと金色っぽくなるそうです。

横からも見てみましょう。

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むむ、この形、なんだか九州国立博物館の建物の形に似ているような。
このことから私達は、この兜を「金箔押九博形兜」と名付けました。

 

ワークショップは、こどもの日特別企画ですが、年齢制限はないようです。
型紙は大人用子供用、どちらでも作ることができます。
今回は大人用で作ってみました。

 

太宰府で「手作り兜」を作ったら、翌日、つまり5月6日、今度は柳川にかぶって来て下さい。
その日はこんなイベントがあります。

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「戦国時代立花家甲冑体験プログラム-414年を経て、今再び出会う宗茂と誾千代-」

立花家史料館では、初代柳川藩主立花宗茂の正室・誾千代着用
という想定の具足を製作しました。

そのお披露目として開催するのがこちらのイベントです。

 

このイベントに九州国立博物館で作った手作り兜をかぶって入場した方には
素敵なプレゼントを差し上げます。

さらにイベントの最後に、
立花宗茂のレプリカ甲冑を着装した「熊本城おもてなし武将隊」の立花宗茂さんを
手作り兜をかぶったみなさんで囲んでの記念撮影も行います。

 

 

作って楽しい、かぶってうれしい、手作り兜。
ワークショップについてのお問い合わせは九州国立博物館へお願いします。

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殿の帰還、そして旅立ち

2015/3/13

おなじみ「今日の宗茂くん」 の元絵でもある
立花家史料館所蔵の立花宗茂像は
立花家とも縁の深い大徳寺の152世蘭渓宗瑛が着賛し
宗茂の十三回忌のために制作されたと考えられます。

 

このたび公益財団法人立花財団では、この立花宗茂像の修復を行いました。
修理を手がけてくださったのは、熊本の冨永米山堂さん。

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修理の内容が報告書に詳しく記されています。

 

経年劣化していたところは、補絹や剥落止めされ
表具はふさわしいものに改装されました。

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きれいになって、おかえりなさい。

 

さて帰ってきたばかりの殿ですが、その2日後には、また旅立っていきました。
3月28日から開催される「大 関ヶ原展」に展示されるためです。

おそらく三代藩主・立花鑑虎の時代に大徳寺から立花家に戻され
その後の長い間を、柳川で過ごした立花宗茂像。
初めてのお江戸です。

修復後初のお披露目となる今回の展示。
近郊の方は、ぜひお出かけください。

 

なお当館所蔵の立花宗茂像が展示されるのは
東京会場(江戸東京博物館)と福岡会場(福岡市博物館)の2会場です。
九州近郊の方は、8月7日の福岡会場の開会をお楽しみに。

 

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この秋、九州で天下人の足跡をたどる

2013/10/2

この秋、ここ九州の一部で、豊臣秀吉絡みの展覧会が複数開催されます。

そこでそれらを回るおすすめルートを提案、紹介いたします。

なお福岡市より北からのお客様を想定したルートですので、あしからず。

 

福岡に着いたら、まずは天神から西鉄大牟田線に乗って
福岡県小郡市にある九州歴史資料館を目指しましょう。
ここで開催されているのは、特別展「戦国武将の誇りと祈り-九州の覇権のゆくえ-」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦国時代の九州」をテーマとしたこの展示では、
少弐氏・大内氏・毛利氏などが、九州の覇権を争っていた時代から
秀吉の九州平定までをたどります。

ここ九州歴史資料館の最寄り駅は「三国が丘」。
駅からは三沢遺跡遊歩道を歩いていきましょう。

この展示には立花家史料館から
立花宗茂像(後期のみ)、脇指 無銘 雷切丸(前期のみ)、剣 銘 長光(後期のみ)
軍神掛物(後期のみ)、金甲(全期)、大友文書、立花家文書
が出ています。

ちなみに10月20日までの前期期間には
福厳寺の戸次道雪像と立花宗茂像、それに天叟寺の高橋紹運像が並んでいます。
10月22日からの後期期間には
高橋紹運と、少し若くなった立花宗茂(立花家史料館蔵の方)の親子が並ぶ予定です。

さらに毎週土日と祝日には、館内で戸次道雪ぬりえも楽しめます。
イラストコンテストへの応募箱も置いていただきましたので、ぜひ自信作を応募してください。
ただし応募は小学生以下のお子様に限ります。

 

さて九州歴史資料館を出たら、再び三国が丘駅に戻り、下り電車に乗って柳川で降りましょう。
目的地はもちろん柳川藩主立花邸 御花

着いたらまずはホテルにチェックイン。
部屋でゆっくりしたいところですが、 明日の朝は早くに発たなければならないので
今日のうちに立花家史料館を見学しておきましょう。

11月10日までは 特集展示「柳川藩の能、立花家の能」を開催しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豪華な能装束や、幽玄な能面を中心に紹介し
柳川藩主立花家と能との関わりを伝える内容の展示です。

他に常設のコーナーでは、立花宗茂の鉄皺革包月輪文最上胴具足を含む
歴代藩主の甲冑等も展示しています。

さて松濤園や西洋館、お役間などの見学を終えたら
おいしい夕食を食べて、明日に備えてゆっくり休みましょう。

なお宿泊プランによっては夕食会場として、
伯爵家族の居室であった御居間(料亭)を利用できる場合もございます。

 

さて2日目。
たっぷりの朝ご飯を食べ、早めにチェックアウト。熊本県八代市へ向かいます。
八代へは、西鉄柳川駅から大牟田で乗り換えて八代まで、という方法や
筑後船小屋から新八代まで九州新幹線という方法などがあります。

八代駅もしくは新八代駅から向かうのは八代市立博物館未来の森ミュージアム

ここで開催されているのが秋季特別展覧会「秀吉が八代にやって来た」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九州平定にやってきた秀吉によって、八代が包摂されるまでの道のりをたどる展示です。

 

この展示には立花家史料館から
伊予札縫延栗色革包仏丸胴具足、金地三日月図軍扇、 日月梵字軍配、豊臣秀吉判物
が出ています。

ちなみに10月20日まで九州歴史資料館にいた福厳寺蔵の戸次道雪像と立花宗茂像は
こちらに移動して来ています。

 

さて再び八代駅もしくは新八代駅へ戻り、今度は佐賀県唐津市へ向かいましょう。
移動時間が少し長いですが、その間駅弁を食べるもよし、買った図録を眺めるもよし。

唐津駅からしばらくバスに揺られて、名護屋城博物館へ。

ここで開催されているのは企画展「秀吉の宇宙~黄金、そして 茶の湯」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
「黄金」と「茶の湯」、2つの視点を重ねることで見えてくる、天下人・秀吉像に触れる展示です。

この展示には立花家史料館からは何も出ていません。

 

これで秀吉の足跡をたどる旅はおしまい。
あとは各自お家へ帰りましょう。

 

と、これだけ紹介してきて言うのも何ですが
実はこのルートを回ることができるのは
会期の都合上10月25日から11月4日までと、ごく短い期間。
しかも11月1日~3日は柳川で白秋祭が行われるため
柳川藩主立花邸 御花のホテルは既に満室です。

ですが、3つの県にわたる4館を、この期間に回ると
戸次道雪の肖像画
高橋紹運の肖像画
立花宗茂の肖像画 2種
立花宗茂所用の具足 2種
重要文化財の刀剣と文書
などなど、立花家関係だけでも結構な数の作品を見ることができるので
そういう意味でもおすすめです。

 

おすすめではあるのですが、移動には時間とお金がかかります。
時間と気持ちと財布に余裕のある方、是非挑戦してみてください。

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